Shizka

戦ふ兵隊のShizkaのネタバレレビュー・内容・結末

戦ふ兵隊(1939年製作の映画)
2.9

このレビューはネタバレを含みます

兵隊の実情はこれだ、と文字で書いておきながら実際は不衛生な兵隊の実情を描いたり、兵隊が前進した後には荒地しか残されていなかったり、武漢を占拠した後のガレ場から使えそうな道具を探す中国人を映したり、

普通の戦争映画はもちろん戦うところ死ぬところが写されていて単純に悲惨であることが見て取れるけれど、これは戦いそのものをほとんど見せないのに、戦争とはこんなに過酷でこんなに悲惨な跡になるんだという結果を見せて悲惨さを想像させる。

もちろん戦争反対とは言えないだろうからこういう形になったのは理解できるが、1939年といえば日本がブイブイ言わせていた頃、ロシアを退け中国を占領した負け知らずの日本でこんな戦争そのものを皮肉って描いている映画を作ったことに驚き。

いつの時代でも有識者がいて、こんな形で反戦を訴えていた芸術家がいたんだね。
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