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戦ふ兵隊のefnのレビュー・感想・評価

戦ふ兵隊(1939年製作の映画)
4.0
 戦時中の反戦映画。冒頭の炎上する農家と悲しみに歪んだ老人(便衣隊対策らしい)のクローズアップから嫌な気分になる。何のための戦争なのかを問いたくなる。
 攻め込まれて無人と化した武漢では横倒しになった衣類が散らばり、戦闘の痕跡のない土嚢が整然と積まれ、人々がどれほど慌てふためいていたかを知らせる。
 一部九七式戦車を稼働させたり、機関銃を撃つ兵士のショットも挿入されてはいるが、その合間にも担架で負傷兵が次々と運び出され、次のショットでは戦友が遺品を整理している。
 そも燃える農家からはじまるという構成からして異常だ。どうがんばっても戦意向上映画と言い張ることはできない。しかし、その反戦への異常な執着、時代の、素材の信憑性故に戦後も価値を保ち続けているのは間違いない。反省、記録映画の傑作。
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