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街の上でのTMCのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.7
サッドティーで全部見る認定した監督の、久々に何度でも見に行く事になりそうな作品。もちろん他のも面白さ保障付きなんだけど、贅沢ながらこの監督に対しては 普通に面白い レベルでは満足いかない期待値になってるため、仕方のない事とはいえ商業映画(色々あるんでしょ?しらんけど)の限界を感じてきていて劇場では2本ほどスルーしてしまった。
今作は、待望のオリジナル作品という事であえて情報を入れなかったせいもあるけど、たぶん公式サイトを見てても全く先が読めないだろうし、あらすじに表せない映画的な面白さが魔法のようにずっと楽しくて最高でした。
と、見終わった今は言ってる今作も、開始30分ほどは正直退屈だったし何ならちょっといかにもすぎるカルチャー感、ベタなシモキタ感に食傷気味になってきたところで、自主映画の撮了後の打ち上げあたりからいろいろ回収されてきたりキャラが反転してきたりで最高になった。そういえば過去作も大体そうだった。
若葉竜也による若葉竜也のための映画でありつつも全キャスト最高。これもまた仕方ないとはいえ最近の今泉作品において居るとフィクション感が出過ぎてノイズに感じてた有名俳優陣も、ああいう使い方なら違和感少ない。役者が他の作品の数倍魅力的に見えて、出たがるキャストが多いのも納得。回収されない余白も程良いバランスであるし。ネーミングも衣装もロケ地も小道具もライブ(!)もアフォリズムも職種や口調も正解しかない。
ただしそれに客入りが全然見合ってない。観さえすれば今泉力哉ファン急増だと思うんだけど。
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