Leaf

街の上でのLeafのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.7
好きそうだな〜という予想を軽々飛び越え大好きでした。
元々決して派手とはいえない映画が好みなことを置いておいても、こういう作品をここまで面白く構成するのって本当にすごい。

下北沢を舞台に存在する男と女と恋愛と服と本と映画制作...とにかく悲喜交交、そしてそれらを取り巻く会話。
そのテンポ、適度に効いてるユーモアがとにかく心地良い。
部屋での会話だけでだれないのすごいし、むしろ好き。

画面に出てくる"また来た"の有効活用で生活感を演出し、新しい出会いもありつつ最後に向けての収束。
これもあくまでこの規模で起こってるからこそうまく行き過ぎ感というか演出感が薄れている気がする。こんなにも面白いのに"そこにある"っていう作品内で大事にしている部分をはみ出ていないように感じられたのが良い。

個人的にはよく知らない、変な忖度がないからこそ話しやすいって気持ちはすごくよくわかる。
あと、喫茶店で映画の話してるやつは見た目はさておき、普段よく行くお店にいる自分と重なりすぎて爆笑しそうになった。
こういう自分が共感出来る部分が拾われてるのもどこか嬉しかったんだろな。
主演の若葉竜也さんの演技は言わずもがな、もはや役名すらちょうどいい。会話中の演出なのかたまたま撮れたものなのかわからない小さなミスとか、ふとでる癖みたいなのも良かった。

本当に日々の中の"ただそこにある"ことをこんなにも愛おしい作品にしてくれたことに最大級の拍手を送りたい。監督の手腕に感謝。
そして軽々しく旅行できないのがものすごく恨めしいほど今この瞬間、下北沢に行きたい。


追記(BD鑑賞):
1. やはり居心地がいい...
一つの街の中で完結しているこの感じが好きすぎる。この映画の主人公は"街"自身。

2. いくらでも話を発展させようとすれば出来るのにリレーみたいにキーワード散りばめてく心地よさ。広がらなくてもいい、閉じていく面白さもあるのかなとか思う。
あと何回観ても思うけど、あの恋バナ長回し良さは自分の中でなかなか越すものは無いと思う。
鴨のコップかわいい🦆
Leaf

Leaf