課長とヒロシ

街の上での課長とヒロシのレビュー・感想・評価

街の上で(2019年製作の映画)
4.4
ヒロシ(以下ヒ):『愛がなんだ』の今泉力哉監督の最新作、早くもサブスク登場です!

課長(以下課):下北沢の古着屋で働く主人公の生活をベースに、絡んでくる奴らとの会話を淡々と描いているだけなんだが、何故か引き込まれて観てしまうのは、下北沢という街の醸し出す文化的なイメージと、そこに許容されているキャラクターのキョーレツすぎる個性の賜物かな

ヒ:個人的には居酒屋のマスターがツボですが、皆さんそれぞれクセが凄いですよね(笑)

課:ユルい感じなんだが演者が全員演技をしていないようで、繰り返される会話劇の中にも一定の緊張感があるのが秀逸だ

ヒ:キャラクターと言うよりは1人の実在する人間みたいですから、なんて言うか初対面の人と話してるような緊張感がありますよね。

課:中盤の若葉竜也と中田青渚のリビングテーブルを囲んだワンカット長回しの会話シーンなんかめっちゃドキドキしたぞ

ヒ:まさに今日会ったばかりの2人が、探り合いながらお互いの理解を深めていく感じがこれでもかと描かれていますよねー

課:キャラクターの「淡々としているんだが強い」感じは、村上春樹の初期の小説みたいでとても心地よいな。何というか、周りに振り回されるんだが、流されることなく、自立している感じだ。街に取り込まれるんじゃなくて、街が地面に描かれた地図みたいになってて、それぞれのキャラクターが自分のいるべき場所に立っている。そして頭上には空が広がっている、、

ヒ:街の「中」で、じゃなくて『街の上で』ってのはそんなイメージでつけられてるのかもですねー!

ストーリー 4
キャラクター5
世界観   5
演出・演技 4
音楽    4
ふかわりょう歌うまっ!と思ったら別人!(笑)度99
課長とヒロシ

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