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シチリアを征服したクマ王国の物語のKUBOのレビュー・感想・評価

3.6
今年最初の試写会は『シチリアを征服したクマ王国の物語』。

正直に第一印象を書けば、

「カクカクしたプーさん」(笑)

手描きっぽさまでいかないちょっと独特な画風で、色彩は『カラミティ』などのレミ・シャイエ監督(大好き)にも共通する感じはあるが、キャラクターのデフォルメ感が抽象的でよりCGっぽさを残す。

また全体を動かすシーンになるとよりCG特有の「同じ動き」になるのが気になった。

ストーリーは有名なイタリアの児童文学らしいのだが、1945年の作品ということで、そういう古い作品にありがちだが、意外に残酷だったり寓話的だったりする。

前半の人間vsクマの闘いは、わりとストレートで淡々と進むので、「これはかなり子供向けなのかな?」と思って見ていると、

「実はこの話には続きがあるんだ」以降、話の雰囲気ががらりと変わる。

人を疑うことのなかったクマたちが、権力を手にし人と同じように暮らすうちに、欲望が生まれ、仲間を裏切るようになり「人間」のようになっていく。(この辺のところは『キカイダー』みたい)

最後にクマたちがくだす決断が作者の答えか?

1年に何本かヨーロッパ発のアニメーションを見るが、日本やアメリカ産のようにキャラクターに染まっていない新鮮なアート作品に巡り合えることがうれしい。