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リーサル・ウェポン2 炎の約束のodyssのレビュー・感想・評価

2.5
【時代を感じさせる】

BS録画にて。

前回と同じく五十代を迎えた黒人中年刑事(ダニー・クローヴァー)と三十代白人刑事(メル・ギブソン)のコンビ。

前回も出てきた、黒人刑事の美人な長女がTVのCMに出演。ところがこのCM・・・というあたりが導入としては面白い。ただ、第一作に比べると家族の描き方は希薄。

その分、メル・ギブソンのほうの物語がちょっと豊かになっています。前作では明らかでなかった、最愛の人が逝った事情が分かりますし、新たに若いチャーミングな女性と仲良くなるのはいいのですが、しかし・・・と続きます。

時代相が感じられる映画でもある。
冒頭、英語じゃない言語に接して、日本語かとカンチガイし、「ロス市警も日本に買収されるのか」なんてセリフが出てくる。1989年と言えば、日本の経済力が絶頂に向かっていた頃ですからね。

ツナ・サンドウィッチを食べている刑事が「ツナはイルカの敵」と言われる。日本人にはちょっと分かりにくいシーン。この頃、アメリカのイルカ愛護熱が高まって、マグロを捕る漁師が網でイルカを混獲して多数殺していることが問題になり、「イルカを救うためにはマグロ=ツナを食べるな」という運動が起こっていたのです。

中年刑事がリタイア後に自宅で趣味のために使う部屋を増設しているシーンでは「52歳でリタイアすれば55歳から年金が出る」と言われています。ロス市警ではそんなに早く年金が出ていたのでしょうか? それとも現在はもっと支給開始年齢が遅くなっているのかな?

というように細部には面白いところがあるのですが、全体の進行や特にメル・ギブソン刑事の行動は粗くて荒っぽい。ま、それが売りなんでしょうけど。

外交官特権だって、いったいどうなったんでしょうね? いくら南アが差別国家だと言っても、ああいう事態になれば外交問題に発展するのは見えていると思うのですが・・・
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