鋼鉄隊長

ガンヘッドの鋼鉄隊長のレビュー・感想・評価

ガンヘッド(1989年製作の映画)
4.0
購入したDVDで鑑賞。

【あらすじ】
2025年、無人島8JOに建設されたコンピューター「カイロン5」が人類に宣戦布告。その後、人類側の戦闘ロボット「ガンヘッド」部隊との激戦の末に沈黙した。
その13年後、トレジャーハンター達が8JOを訪れる…。

 サークルの友人から、「画が暗くて見えない映画の上映会をしよう」という、変わった提案をされた。その時真っ先に思いついたのが、『ガンヘッド』だった。
 この映画は暗くてわかりにくい。しかも話も複雑だ。さらに残念なことに、日本語と英語が混じったややこしい会話がひたすら続く。その上、主人公はダサい。悪い所を挙げるとキリがない。その結果、興行成績は惨敗。ネットの評価も散々。今ではレンタルも中々無い「忘れられた作品」になってしまった。
 だがしかし、
「酷評なんてクソくらえでしょう⁉」
 『ガンヘッド』は史上最高の駄作なのだ。とにかくガンヘッドがカッコいい! ただそれだけでも、この映画は素晴らしいと言える。攻撃力抜群で、水陸両用。おまけに変形まで可能なロマン戦車(これがCGで無く、ちゃんと15m級の模型で撮影されたのが凄い!)。しかも中身は人間臭い。弱気な主人公を、ドジャースの逆転優勝を例に励ます。出撃の際は、まるで打席へ向かうかのように軽快なBGM(https://www.youtube.com/watch?v=vb19d08Lnec ←この曲。正式名称は何だろう?)を流す。何かにつけて野球好きを主張するのがチャーミングだ。こんな個性的でカッコいいロボットは、他にはいない。最高だ。あまりにも素晴らし過ぎる。
 そして、ガンヘッドに負けず劣らず魅力的な敵がまた良い。『ターミネーター』の丸パクリ・コンピューター「カイロン5」。着ぐるみ丸出しの「バイオドロイド」も味があって素敵。その見た目は『仮面ライダーⅤ3』の怪人、テレビバエに似ている。しかし何といっても一番は、「カイロンの守護神」こと8JO製警備ロボットの「エアロボット」だろう。ガンヘッドが野球魂を引っさげた歴戦の戦士ならば、対するエアロボットは大怪獣だ。巨大ロボットの殴り合いには目頭が熱くなる。
 ガンヘッドはいいぞ! これが友人達に伝わっただけでも十分に満足である。
鋼鉄隊長

鋼鉄隊長