TAK44マグナム

ハード・ナイトのTAK44マグナムのレビュー・感想・評価

ハード・ナイト(2019年製作の映画)
3.2
短評です。


かつては「ダイハード2」や「クリフハンガー」でマッチョなスターを主役にしたアクション映画を大ヒットに導いて一時代を築いたレニー・ハーリン監督も、「カットスロートアイランド」や「ロングキス・グッドナイト」等の興行的失敗から大作を撮れなくなっていました。
そんなレニー・ハーリンが中国に活路を見出して撮った、ダイハードスタイルのアクションスリラーが本作。


土砂降りのクリスマスイブ。
遺体検死官を仮面を被った3人組が襲撃する。
彼らの正体と目的とは?
検死官は機転をきかせて脱出しようと試みるのだが・・・


登場する悪党が3人で、舞台となるのがそれほど高さもないビルひとつというのは、監督
の全盛期の作品と比べてしまうと仕方ないのでしょうけれど、かなり規模が小さく感じられます。
レニー・ハーリンといえばマイケル・ベイの様に爆発が大好きというイメージがあるのですが、当然のように(結果的に意味がないにもかかわらず)クライマックスに爆破シーンをもってきています。
しかしほぼCGですし、いかんせん迫力不足も否めません。
まぁまぁ予算の無さもそこかしこに感じられます。

しかしスケールの大きさに期待しなければ、これはこれで普通にみられるクオリティは維持されていて、「腐ってもレニー・ハーリン」と言えなくもない。
検死官側と3人組側の優勢、劣勢が二転三転するので、飽きがこない展開も悪くはないですね。
ただ、人物描写に手間をかけているように見えても、主人公や三人組の肉づけがイマイチ消化不良。
主人公が変に冷静すぎて、彼の過去と犯人の噛み合わせがうまくないような気が若干しました。


「ロングキス・グッドナイト」のジーナ・デイビス&サミュエル・L・ジャクソンの様に爆発から飛び出す主演2人は「激戦ハート・オブ・ファイト」のニック・チョンとスレンダーな美人女優ヤン・ズー(但し、本作で一番美形なのは死体だったり(苦笑))。
本作のニック・チョンは検死官役なので、本当は腹筋がバキバキに割れているような俳優さんなのにバトルシーンでは主にヤラレ役に徹しています。
その分、何故か華奢そうなヤン・ズーが奮戦(苦笑)
でも、中々どうして動きがシャープで良いじゃないですか。


暇つぶしで観るぶんにはオススメできますが、何の必然性もなく雨のクリスマスだったり、襲撃犯たちが肝心なところで馬鹿だったりと手放しで全肯定できるわけでもなく、旧作レンタルの棚が1番収まりがよい作品かもしれませんね。


※追記です。
弾丸を回収するために何発も撃って証拠を残すのはおかしいとの指摘があるみたいですが、普通に考えて自分たちのではない銃を用意したんだと思います。


レンタルDVD(GEO)にて