竜平

オン・ザ・ロックの竜平のレビュー・感想・評価

オン・ザ・ロック(2020年製作の映画)
3.9
ニューヨークを舞台に、とある夫婦間に生じてしまう「疑念」から始まる騒動を描く。ソフィア・コッポラ監督・脚本によるユーモア溢れるヒューマンドラマ。

夫や子供と平凡に暮らす若妻と、年老いても尚プレイボーイなその父親、そんな二人が織り成すドタバタ模様のなんと微笑ましいこと。父であるイケじいさんを演じるのがビル・マーレイ、お得意の軽口とユーモアが終始楽しい。またその娘である若き母親役をラシダ・ジョーンズが好演、家庭内や夫婦間の些細な、けれどもじつは深刻な問題に悩める姿とか、容姿も含めてなんとも魅力的だったりする。ストーリーとしては非常にわかりやすいし、なんなら映画としてはよくある話、なんだけどそんな既視感をものともしないのはこのキャストの魅力があるからこそなのかな。コメディの様相でありつつも、描かれるものは普遍的なテーマでもあるが故に最後まで目が離せなくなってしまう、シンプルに楽しい内容。マーレイ演じる父による男女についての話なんかは少なからず共感、ないし「そういう人もいるよね」ってなところで、またここが人生経験豊富な人の良きアドバイスにも単なる知ったかぶりにも聞こえるあたりいいスパイスになってる気がする。

夫婦間のみならず仕事でもなんでも、パートナーと良き信頼関係を築くのって本当に難しいよなと思う。そこに悪気なんかなくたって、溝とかできてしまう時はできてしまうし、疑ってしまうような場面も出てくる、よね。今作を見てると、必ずしも伝え合うことがすべてとは言えない気もしてくる。うーん、結局のところ「難しいよねー」にやっぱり落ち着くんだけどね。そんなこんなでラストもいい具合の良き余韻を残す。結婚生活や何かの息抜きとしてなかなか最適な一本なんじゃないかな。ゆーて俺はまだまだ結婚できそうにないけどな。お後がよろしいようで(よろしくない)。