肉浪費Xアカウント復旧無理ぽ

アントラーズの肉浪費Xアカウント復旧無理ぽのレビュー・感想・評価

アントラーズ(2021年製作の映画)
3.2
本能に生きる野獣と化した家族を"飼う"少年と少年の異変にシンパシーを感じた家庭問題を過去に抱えた担任の悲壮愴、涙そうそう、鬱々ホラーヒューマンドラマ
…だったら評価がつきそうな所を台無しにするね!え、なに?デル・トロの思惑だったりする??

実は日本アニメ『鹿の王』と表裏一体、念頭に置いておくと享受が進む"アメリカライズ"したテーマでもあるんだな!(勿論『もののけ姫』も)

家族のカタチって色々…あるよね、あるよネ!?

配信で見れるDisney+でも計60分超の特典を見れるのだけど、めっさ制作のギレルモ・デル・トロ監督さん関わってるんすね!w
もう連名監督として名を連ねてもいいくらい語りに語りまくるし、クリーチャーデザインは主は違うプロだけど"監修"と言っていいほどだし…
"デル・トロ色"のタッチをファンならいくつも感じ取れそうな「デルトロ風味スコット・クーパー映画」ではあるんです。

この映画、「ホラー」としてのエンタメの"暗さ"ではなく、ストーリー展開として"しっとり仄暗過ぎる"!?
その"情"を引き出すタッチはある種「Jホラー」にも通ずると言えなくもないのかも・・・?結局は「クリーチャー・ホラー」になるんですがw

だからこそ配置した"オブジェクト"である「家族問題」は"対比"として"思わせぶり"ではなく、ねっとり"確かなもの"として描くべきだったと口惜しい気分なんですよ…
「ドラマ」として薄いから、ジュリア(ケリー・ラッセル)にも最大限に"憐憫の情"を引き出したルーカスくん(ジェレミー・T.・トーマス)のどちらにも完全に"感情移入"仕切らないまま終わるんですよね…
ジャンルホラーとしてはそれでいいのです。でも、"考えさせる(メッセージ性のある)"「アメリカン・ホラー」にしたかったのはひしひしと感じますから(特典でも言っている)、その為には配置した要素を"血の通った"ものにする"脚本の練り込み"が必要だったのでは?と申したいのです…

それに加え、『シェイプ・オブ・ウォーター』が好きくない理由として、レビューでも"脚本として響かなかった"点として、主役が"受動的"過ぎる…今作でもルーカスくんは一番の急展開であるラストで"マリオのピーチ姫状態"…
彼の「家族か?先生(未来)か?」の選択で、"反旗を翻す"展開にもできたし、実際に視聴者にはその展開を考慮に入れた人も多かったはず…
つまりは、彼の心情である"葛藤"を容易く演出できたはずなんです。

と、悪い面も似通うとは、ギレルモ監督が克服するべき点まで継承してしまってるので、制作である彼が脚本のチェックで忠言・助言できなかったことも致し方ない部分ではあるんです…
でもそこが、彼の作品なのに『パンズ・ラビリンス』と大きく違うんですよォ!(血涙)

この映画の主題であるクリーチャーは先住民の民間伝承、神話の怪物「ウェンディゴ」になるんですが、そこが"人間から变化"となるので、このクリーチャーに課した"要素・メッセージ性"は大きいですよね。
実際に監督自身が「ウェンディゴとは僕たち(アメリカ)のことなんだ」と発言しています。
喰えば喰うほど腹が空く"強欲さ"はまさにその通りだし、薬物中毒(オピオイド)から降臨する主原因が"アメリカが抱える根治不能問題"で"俗物"を象ったもの。
なのに、生れ出でた理由は「地球の怒り」であり、"先住民の怒り"でもあることから、"神秘(深淵)"と"俗"の相反する「矛盾」を持った生物であり、それ故に"自滅的・破滅的"であるという神性を帯びながら実に"風刺的"を体現させている「存在」なんです。
そこが『鹿の王』とは真逆で、『もののけ姫』を思わせる部分で超興味深いんですが………そのテーマも描き切れたとは思わないですね。

だって、雑魚いんですもの!!(笑)
"ご都合主義"な展開で「スリラー」としてもいまひとつ役目を果たせていないのも課題の1つかと思います。
そこにホラーお馴染みの「ウーマンパワー」演出してもあまり意味を持たないんですよ、ほぼビジュアル構図が『エイリアン』ですもんw

為になる特典映像(Disny+)ぜひ見ろよな!(某アニメ声)