むぅ

素晴らしき、きのこの世界のむぅのレビュー・感想・評価

素晴らしき、きのこの世界(2019年製作の映画)
3.7
どちらかというと[たけのこ派]


毎週楽しみに観ているドラマで、あまりにも不当な扱いを受けるきのこが気の毒になり、観たいと思いつつも集合体恐怖症としては脳内でアラートの鳴っていた今作を。

きのこ・菌類の秘めたる力や、可能性を掲示するドキュメンタリー。

きのこの凄さだけではなく、地球や人類の歴史にも触れる。
高校受験の時点で「理科が怖い」と半べそをかき母親に爆笑された身としては、結構な"理系ドキュメンタリー"であった。
とりあえず、菌糸体なるものの存在と凄さはわかった。ただ、どう凄いのか説明せよと言われたら「積極的にきのこを食べようと思いました」という何の説明にもなっていない返答しか出来ないのが虚しい。

「思考は慣れ親しんだ世界にしがみつこうとする」
この言葉が最も印象に残ったので、[学科版 脳内メーカー]なるものがあったなら私の脳内は、ほぼ"国語"なのだろうと思う。
変化や違いに寛容な大人でありたい、またそれを楽しめる大人でありたい、というのが自分の人生の目標の一つなので、私の思考回路は森の中で見たことのないきのこを見つけるために彷徨うというような冒険をしているだろうか、決まった道ばかり通っているのではないかと立ち止まらせてくれる言葉だった。

菌類みたいに"分解する力"を持つ思考でありたい。

炭素についても触れており、最近まで私の生活を侵食していた『ブレイキング・バッド』でも主人公が炭素の凄さについて熱く語るシーンがあったな、などと思った。


「目つぶって食べなさい!」
友人宅で鍋をしていて、椎茸のかさの裏側を見つめながら
「集合体恐怖症的には団体きのこも怖いんだけど、きのこのかさの裏側が網目状になってるやつも怖くて...」
と言ったら、そう叱られた。
「いや、母ちゃんか!」
「うるさい、ウーロンハイで流し込め」
「味は美味しいから、ちゃんと噛みます」
というやりとりや
「椎茸栽培キット買った」
という友人からのLINEに
「絶対画像は送ってこないで」
と返信した事を思い出し、私もまぁまぁきのこに当たりがキツかったのではないかとちょっと反省した。

きのこ、ごめんね。
感謝しつつ煮浸すかな。
甘いものが食べたくなったら、たけのこの里じゃなくてきのこの山にするかな。



※コロナウイルスの画像が厳しい系の集合体恐怖症には、なかなかハードな映像あり。
むぅ

むぅ