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十日間の不思議のseapony3000のレビュー・感想・評価

十日間の不思議(1971年製作の映画)
5.0
夢うつつでアンソニーパーキンスがみているのはタコ。目覚めると両の手のひらは血だらけ、鏡映しみたいに2本の水道で洗い流す最高のはじまり。神経を逆撫でするようなパリの安ホテルの音響の演出あまりシャブロルぽくないなーと思っていたけど、豪邸帰ったらピンクに染めた二匹のフォックス纏ったマルレーヌジョベールが妻、期待通りロリコンのウェルズ。ウェルズのセメント色した鼻のメイク、やがては母親と同じく石膏塗りつけた石みたいになってるウェルズ。ウェルズそっくりのゼウス像。成長を止められたジョベールとパーキンス、いつのまにか取り込まれていくピコリ。このふたりしか考えられなくなるキャスティングのウェルズとパーキンスがかなりこってりしていてピコリがんばれーってなるけど、電車内で喋くる優等生少女の十戒でピンとくる探偵を諦めないピコリ。暗闇のなかのドライブ、音声なく殺されるジョベール、十字架にかけられるパーキンス、荒れ果てた庭、過去と現在がクロスするシャブロルのホームサスペンスは銃声によってシメ。なんだかんだでやっぱし好きなものが詰まってた。

「十日間の不思議」
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