月

映画クレヨンしんちゃん 激突!ラクガキングダムとほぼ四人の勇者の月のレビュー・感想・評価

3.3
今回の主役は野原家でもかすかべ防衛隊でもなく、"クレヨンしんちゃん"。
彼の生み出した出会いと別れに"ほぼ四回"泣かされる。

今回、動機こそ異なれども、ヴィラン含め全員が"救いのヒーロー"になろうとしており、悪者は居ない。
しかしそのぶん、"救い"を求めるあまり無自覚的に他人を傷付けている大人たちの残酷さが際立った。
平和なクレしんタッチの世界に安らいでいたが、そのシーンだけは我々の生きる世界をそのまま映し出しているようだった。

たかがクレしん、されどクレしん。

相手を信じ、尊重し、その人のために涙を流す。
素直で無垢な彼からは、幼き日は当たり前に思えていた何かに気づかされるかもしれない。
月