闘っている人は美しい
東京新聞、望月記者に密着したドキュメンタリー。
日本のジャーナリズムの問題点を浮き彫りにしている。
そもそもジャーナリズムとはなんなのか。
彼女の仕事を体感することでわかっていく。
監督はオウム真理教に密着した作品「A」「A2」を撮った森達也氏。
こういった、世間から誤解を受けてるような人に密着するのが好きなようだ。
新聞報道やテレビのニュースの情報だけだと望月記者に対してあまり良いイメージを抱けないかもしれない。
周りの輪を乱し、スタンドプレーで迷惑をかけている...
そんなイメージかもしれない。
確かに実際KYなところがあるので、一緒の組織で働いたら正直面倒くさいだろう、とも思う。
けれど彼女は新聞記者であり、ジャーナリストなのだ。
KYでなければならない。誰かが嫌がろうとも真実を追い求めなければならない。
イデオロギーの差異を超えて突き進まなければならない。
彼女は質問する。はぐらかされても、無視されても、妨害を受けても。時には脅迫を受けても。
彼女が質問し続けることで今の日本の現状がもはやコメディでしかないことが暴露されていく...
劇中で外国のジャーナリストが日本のジャーナリストに向かってこんなことを発言している。
今の日本のジャーナリズムはおかしい。
あなたたちは日本の民主主義が前進することに貢献していると言えますか、と。
この発言はジャーナリストに対してだけでなく響く。
僕がやっている仕事は社会を良くするために貢献しているのか、と。
おかしな現状を維持しているだけでは駄目なんだ、と。
闘うべき時には闘わなければならない。
それを彼女に教えてもらった気がした。