ワンコ

i-新聞記者ドキュメント-のワンコのレビュー・感想・評価

4.5
【氷山の一角】

この映画公開後も、インチキでデタラメな政権運営が詳らかになり、映画の内容が陳腐化してしまったように感じる僕だけだろうか。

新年早々、Eテレの「100分de名著・新春スペシャル・ナショナリズム」でMCを務めた稲垣吾郎さんが、「ネット右翼の人は、なにか大きいものに寄りかかりたいのだろう」と優しい表現で語っていた。

だからと言って、「そうか、彼らは疎外された可哀そうな人たち」だと思って、同情しなくてはならないのだろうか。

この映画で僕がとても印象に残っているのは、まず、望月記者への脅迫電話だ。

歯抜け感の強い、唾がネバネバ絡んだ醜悪な声で「こ・こ・殺す」と言う。
こんな脅迫電話をしたら犯罪になる可能性が高いのは、今時、中学生だって知っているだろう。

記者クラブの内輪内輪の姿勢も問題だが、やはり、より大きな問題は政権の側にあるのは間違いない。

辺野古の埋め立てに使う赤土の割合を巡る問題や、
これに関連する沖縄県民の県民投票を無視する姿勢、
更に、土壌改良に倍の期間と三倍の費用がかかる問題。
宮古島の弾薬庫の虚偽のあいまいな説明。

政権は…、菅義偉は、これらについて何ら納得のいく説明など出来ていない。

そして、
伊藤詩織さんの性的暴行を巡る安倍晋三の御用聞きライター山口敬之氏への姿勢、
民事と刑事裁判の違いも理解しないネット右翼系のメディアの配信記事、
これについてセカンドレイプ発言を躊躇しない杉田水脈議員、
更に、この問題は海外メディアがこぞって取り上げて、我が国は先進国であるはずなのに、まるでレイプ大国のように取り上げられていること、

日本国民はこんなハレンチな人種では決してないのだ。

ここまでは、映画に関連する話だが、映画完成後もアベ政権の問題発覚は続いている。

菅原一秀議員の寄付・香典疑惑を巡る経産相辞任問題、
河井克行議員の、妻・案里議員の公職選挙法違反を巡る法務大臣辞任問題、
そして、両名の公選法違反への捜査、
更に、両名の長期公務離脱と意味のない記者会見への批判問題、
桜を見る会に至っては、
税金を使った支援者への接待、
自ら私人だと言っているのに安倍昭恵氏が国の招待者決定に関わっていたこと、
反社会的勢力の参加、
マルチ商法的営業が問題視され、倒産に至ったジャパンライフの会長招待、
これらを背景に招待者名簿を廃棄したこと、
シュレッダーにかけたことを職員の都合や、身障者職員のおかれた状況のせいだと言い逃れをしようとしたこと(これは本当に人間のクズ中のクズ)、
年々、参加者・支出額が増加して私物化が伺えること、
法律学者によって刑事告訴されたこと、
さんざん言い逃れを続けてきたにも関わらず、ついに菅義偉が、招待者名簿の未記載について、公文書管理法違反を認めたこと

IR法整備・誘致問題については、
国民の75%が見直しに賛同していること、
横浜に至っては誘致予定地近隣の住民の実に90%が反対であること、

ラスベガスをモデルにみたいなことを言ってサンズを有力候補にしているが、アメリカのアトランティックシティでは、施設内での顧客支出を最優先にしていることから、結果的に周辺商業施設が疲弊し、地域経済も疲弊してしまった事実を隠していること、

秋元議員の逮捕、再逮捕、再々逮捕、
白須賀議員・勝沼議員の事務所家宅捜査、
白須賀議員の事情聴取、
下地議員の資金受領、

そして、自らに売りにしていたアベノミクスについて、

安倍晋三が自らアベノミクスと恥ずかしくて言わなくなったこと、
自らの経済政策の分析が出来てなくて、識者からアベノミクスは、日銀黒田総裁のクロダノミクスだと揶揄されて情けないこと、

世界的著名投資家のジム・ロジャーズが最近アベ政権の経済政策をこき下ろしたこと、
17日、米ウォールストリートジャーナルが消費増税による景気鈍化を指摘したにも関わらず、これを実施し、実際にGDPがマイナス成長となる愚行を政権が犯したと報じ、金融政策余地がほぼなくった状況で、財政政策が一段と大きな役割を担わなくてはならないのに、アベ政権の実行能力に疑問を呈したこと。

更に、
自民重鎮・山崎拓氏が結局「レガシーなきアベ政権の終焉」と言い始めたこと、
憲法9条の改正を巡り、安倍晋三が「私(実際は活舌が悪すぎて「わたすぃ」としか聞こえない)がこの手で」といったことに対し、公明山口代表が、憲法改正は国会の発議だと、距離を置き始めたこと、

大半の国民は森友・加計問題を忘れていなくて、12月17日の大阪高裁の森友への土地売却を巡る特約条項の不開示は違法とする判決を注視していること、

菅義偉が、最近オドオドしていて、カンペ欲しそうにしている会見姿が気持ち悪いこと、
菅義偉は、出身地の秋田でイージスアショアはいらないと言われ、選挙区ではIRいらないと言われ、自分の子飼いの議員に次々に疑惑が膨れ上がって、なんか情けないこと。

また最近、国会で桜を見る会の前の前日の夕食会を巡るアベの答弁で、ホテル側の「個別の案件については「営業の秘密にかかわるため」、回答に含まれない」と述べたことについて、当のホテル側が、「営業の秘密にかかわるため」という部分を「申し上げた事実はございません」とあっさり否定したことが明らかになった。

これについては、朝日新聞が元裁判官の意見を聞いていて、もし裁判だったらホテルの書面を見せられない安倍晋三の負けだそうだ。

でも、元裁判官に言われるまでもなく、小学生でも分かりそうなことだ。

このレビューを読んでくださる方がどれくらいいるか分かりませんが、でも、いませんか?皆さんの周りに、質問されたことについて、微妙に嘘を積み重ねる人たち。

僕は、上司、先輩、同僚、部下、後輩に、それぞれ、「いたいた!」と思いつきます。

きっと、こういうことが許されると思っているのが、アベ政権の支持母体なんだと改めて思う。

そんな連中に、やさしい気持ちで、疎外された可哀想な人たちって同情できますか?

優しい表現など不要ですよね!稲垣吾郎さん!
ワンコ

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