harunoma

i-新聞記者ドキュメント-のharunomaのレビュー・感想・評価

4.1
映画『新聞記者』はくだらなく40分くらいで出たし
東京新聞はとっているが望月の記事を読んだ記憶もない。都知事選で絶対得票率3割の支持とは言え、北朝鮮並みの民度と老若男女情弱の市民、多摩地区を筆頭に田吾作メディアということに改めて愕然とし、観ていなかった本作を見る。内閣官房学校特権記者クラブ活動。自然災害専門チャンネル=日本のマスコミの中でも、相対的にまともに見える東京新聞のアンカーたる望月。

ただめちゃくちゃおもしろい。
いきなり沖縄の海をボートで沖に出て、ノートを取る場面からはじまり、こう言ってはなんだが(題材的にはポリコレ的にはなんだが)、思った以上に望月は低身長でかっこいいパンクな方だった、洋服も。戦闘時には活発に早口で攻め立てる口調はどこか岡田茉莉子を想起させるなどと言えば褒めすぎだろうか。

もはや人間ではない非応答の信号無視話法で厚顔無恥を決め込む官邸のクソみたいな老害後期高齢者たちは、普通の人間の毅然とした怒りを受け止めるだけの生命すらObeyの宇宙人たちに乗っ取られているとしか思えない(ヨーダではなく腐ったマモー)のだが、記者クラブに関して神保哲生すら映画には出てくるのだし、少なからず母校の大先輩であるという森達也がまだ少しは変態である(しがらみ学園、方向音痴のドジっ娘ぶりを収める)かのように、映画をモンタージュへ向けて進めていることが、やはりおもしろかった。パソコンばかり眺めているつまらない記者より、行動する者、あるいはノートを片手に観察者として現場にいるかのように見えるあり方は魅力的であったし、映画のスピードは早かった。大本営なり大手テレビメディアのニュースは、フレーミングも音も硬直した事後感しかないが、当時の登場人物たちのドキュメントは、別な手触りの生々しさが見えた。新聞記者のドキュメントではなく、ジャーナリストはドキュメント以外にはないというチンケな菅との壮大なプロレス・モンタージュへの道程は、タランティーノのような愛を感じる。
ジャーナリストの矜持か構えかは分からないが、自分が闘うべきパブリックな場所以外では、頑なに口を閉ざし暴言・妄言は一言もなかった姿勢(見ることに徹する)はよかったし、しかしキャリーバッグ片手の凛としたするどい目力とバックショット。

個人的には『新聞記者』は望月が自演で出演し(とんでもない映画になっただろう)、そろそろ政治家へ転身することを期待する。演者として稀有な形態だ。勝てる。
沖縄も香港も独立すべし。ただ人間による水平の革命は信じない。
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