ルッキオ

i-新聞記者ドキュメント-のルッキオのレビュー・感想・評価

4.2
オープニング、饒舌にまくしたてる望月さんで始まり、無表情で無言のエンディング。
ここに監督のメッセージが読み取れる。
大手新聞社にいながら記者クラブの壁と戦う図式が珍しいという、これこそがジャーナリズム崩壊を表していて、なるほど森監督が被写体に選ぶのもうなずける。
籠池夫妻やあの事務次官の素の顔が撮れてるのは流石の森達也作品。

VS菅義偉の構図がいよいよ盛り上がってあのアニメみたいなバトルになれば最高のクライマックスなんですが、現実とは何と平凡か。
極端な政治思想を持った人があふれかえる中、虚脱した表情の望月記者が印象的。

劇中で監督も言ってたけど、至って真っ当なジャーナリストの行動を追った映像が何で映画になるんだよって話ですよ。
ぶら下がりで自分の意見を持たない政治記者の本音を追った方が映画になりそうな気がしてきます。
”ペンは剣よりも強し”なんて言葉は現日本の政権には当てはまらない。もうずっとこの状態を観てきたせいか慣れてしまっている自分もいる。あんな横暴な記者会見も冷静に観れてしまう自分がいる。あの記者会見が日本の政治を示してるようで「諦め」という感情しかわかない。
あのアニメシーンは権力者に牙を剥かない衆愚に向けた監督なりの怒りなんでしょうか。

「i」とは衣塑子の「i」と「identity」の「i」だと予想してみる。官房長官の忠犬のアイツや無個性な記者に警官たち。自分のような政治無関心市民との対比としての「i」みたいな、、、