このレビューはネタバレを含みます
食をテーマにしたドキュメンタリー。
人口が今よりも爆発して100億人に達した時、私たちはちゃんと食べ物を食べることができるのだろうか?という問いと、時代は既に食べ物の取り合いの時代に入っているという示唆。本作が問いかける内容はあまりに重い。
例えば穀物が、発展途上国の人々の口にではなく、先進国の食肉用の牛に使われている実態。早く植物を育たせるための肥料すら取り合いになっている現実。そしてその中で、ある種の反動として、よりコミュニティに根ざした、必要最低限の生産を行う農業の動き。こうした動きは希望でもある。
グローバリズムには賛否あれど、食のグローバリズムには特に注意が必要で、発展途上国に対する搾取の上に、先進国の食が成り立っている実態は、食のグローバリズムに関する批判的な立ち位置を呼び起こさずにはいられない。
「関心領域」という映画があったが、私たちは発展途上国のことは関心領域にはない。だから気にしないで飽食を貪る。しかし、日本に生きる私たちは、確実に途上国に対する何らかの搾取の上に、生活を成り立たせている。そのことにもっと自覚的であるべきだし、食料自給率の低い日本で、私たちは今後どうやって食べていくのかということを、真剣に考えなくてはいけない。
そうしたことをこれでもかというぐらいに思わせてくれる一作。