みんと

再会の夏のみんとのレビュー・感想・評価

再会の夏(2018年製作の映画)
3.8
ん?!ジャック・ベッケル監督?と思ったら、彼の息子であるジャン・ベッケル監督作品を初鑑賞。(撮影当時86歳)

史実をベースにした同名小説の映画化。
特にわんこ好きには堪らない、忠犬ぶりにグッとくる犬映画にして戦争映画にしてラブストーリーだった。

第一次世界大戦と言う大きな歴史のうねりの中で翻弄される一組の男女と一匹の犬、そして戦争で何があったのか解き明かしてゆく軍判事の姿をフランス映画らしい雰囲気で優しく慈しむように描かれていた。

過酷な戦場での出来事を挿入しながら、それとは対照的に男女のパーソナルなストーリーとのリンクが素晴らしい。とんでもなく大きな悲劇の裏に、等身大の人生が紛れもなく存在する事を思い知らされる。

そして、更には繊細で複雑な人間の感情と対照的に人に仕え忠義を貫く犬の持つ本能に感動する。

全ての対比が絶妙で、決して強烈に心を揺さぶる訳では無いけれど、じんわり沁みる感動作だった。

因みに主演の軍判事ランティエ少佐役を『最強のふたり』のフランソワ・クリュゼが演じていたのも見どころだった。
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