恋愛という人間ドラマの方に比重を置いた第一次世界大戦ネタな一作。
軍隊というのは国家への忠誠で成り立つ組織なのは確かだけど、国の未来を作るのは若い2人だという意味合いが強かったかも。登場人物らの架け橋というかカマシ犬役にワンコを取り入れたことで、人間関係の理屈臭さを払拭した点は秀逸。軍判事殿の歴戦ゆえの温厚ぶりがあっての大岡裁きなのは確かだけど、無垢なワンコのアクセントは絶妙以外のナニモノでもなかったり。
とはいえ、ジャックが望むような銃殺刑にはさすがにならないだろうけど、不敬罪なんだから重刑を云い渡されるのはご時世考慮しても間違いないはず。ならばこの結末はどうなのよ？というもやもやが残ったのは残念としか思えないんだけど……たとえば、「モルラックはシェルショックだった」とか何とか報告する場面でもあれば少しは……。
ともあれ、ヴァランティーヌのためにジャックを守り通したワンコが素晴らしい一作。ぜひとも幸せに、そして名前を付けてやって欲しいとお願いしたくなること請け合い。
それにしても、どうしてブルガリア軍に飛びかかって行ったんだワンコ。ブルガリア軍が騙し討ちするとか感じたんだろうかワンコ。
