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ユンヒへのpepoのネタバレレビュー・内容・結末

ユンヒへ(2019年製作の映画)
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このレビューはネタバレを含みます

冬の小樽の静かな雪。
「いつ止むのかしら」
と繰り返しながら、降れば除け、積もった道を日々歩く。雪が閉じ込める夜の静けさと、その中を訪れる過去の面影とともにある生活。淡々とした描写が染み入ってくるよう。
変化の描写はごく控えめだけど、終盤、ほどけるように笑顔が増えていくのが印象的だった。

セボムの元気が希望として効いていた。「望むかぎり勉強させてあげるつもり」というユンヒの言葉が彼女自身の来し方に呼応して光る。お互いに依存のない母娘の関係がとてもよかった。ジュンとおばさんの関係も。
ただ、ジュンは「この手紙を書いている自分を恥じていない」というのならなぜリョウコを振る時に「私は母が韓国人である事をずっと隠してきた」「(それを明かすことで)自分にいい事が何もなかったから。あなたも何か隠している事があるならそれをずっと隠し通すべき」っていう言い方をしたんだろう...
その矛盾が、もしこの国の韓国の人に対する視線から有形無形の圧迫を受けてきたことに幾許かでも関係があるのだとしたら哀しいと思った。

そして🐱映画でした✨
このシーン、「ジュンさんそこの!テーブルに置いてるじゃらしをちょっと!ちょっとでいいから後方のネコチャンに向けて振ってみよう!ちょっとでいいから!」と心の応援上映で叫んでました(届きませんでした)ヾ( ' ')ノ

リョウコさん、「月がきれいですね」って言ってたね...(切ない)🥲
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