四木

ユンヒへの四木のレビュー・感想・評価

ユンヒへ(2019年製作の映画)
4.7
ほぼ情報を入れずに観に行きました。来場者特典のチラシとポスターから初めてあらすじを知るレベル。

雪も夜も月も静寂も、好き。それらが好きな人のことも。
冒頭のセリフからこの人たちが好きだと感じました。

彼女たちの関係性について深く語ることは、まだ、できません。何度も思い出して、自分なりにことばで残せるようになるまで、時間がかかりそうです。
美しい雪原を、泥だらけの靴で踏み荒らしてしまいそうな、恐怖があります。遠くから、ぼぅ……っと眺めているくらいがちょうどいいのかもしれません。

人が人を想う気持ちって、好きって、本当はそんなにややこしいものではない……とおもうのですけれど……。社会的なルールとか周りの目とか、狭い価値観とか、あらゆることのせいで、途端にむつかしくなります。
大好きだからこそ、相手を強く想うからこそ、隣にはいられない……とおもうことがあります。
大人になってしまうと、特に。身軽ではいられませんよね。
守りたいものが増えたり、頭がカチコチになってしまったり。素直になれない理由ばかり増えていくような気がします。

娘さんが本当にキュートで、(嗚呼〜かわいい〜〜)と何度もおもいながら観ていました。動きも表情もすき。
人は撮らない、美しいものだけを撮る……そう言っていた彼女が母親を撮っていて、お母さんのことが本当に好きなのだなぁと感じました。
好きな人のために動く力が強いので、それに巻き込まれる人は大変そうです。
ほしいものは自分で手に入れて、望みをどんどん叶えていきそうな、強い人。……そう感じました。
わたしはあんなに動けないです。羨ましいです。

猫好きさんには是非、観ていただきたいです。猫の役者さんが良い演技をしてらっしゃいました。ゴロゴロ喉を鳴らしてくれるとは……なんて良い子なの! と感動しました。
もふもふは、最高ですね。
本当にかわいいので、もはや猫さんを観るためだけに観に行ってもいいとおもいます。ちょい役ですけれど。

雪を踏み締める音が印象的でした。そのまま終わってもいいくらい、居心地が良かったです。

追伸が、すきです。


追記。

20年前、どのように過ごしていたのか……その映像はありません。写真や仕草、ことばから、想像していくしかありません。
過去の彼女たちのことをもっと知りたかったなあ、とおもう気持ちはあるのですけれど……。野暮ですよね。


映画館にて
2022/01/30
(旧アカウントで記録した日)
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