いろどり

大丈夫であるように ─Cocco 終らない旅─のいろどりのレビュー・感想・評価

3.7
イノセント
切迫感
魂の叫び 
「ダンサー・イン・ザ・ダーク」のビョーク

これが昔から私の持つCoccoのイメージ。CoccoのCDはシングルを数枚持っている。「強く儚い者たち」が衝撃で、繊細そうに何てこと歌うんだ!と、友達の間でも話題になった。大学生のころ「雲路の果て」を特に好んで聴いていた。Mステに出たとき、タモリさんと会話にならない言葉を交わし、裸足で佇む姿にヒヤヒヤした。

触れれば壊れてしまいそうなほど繊細なのに、決して壊れないだろうと思わせる真の強さを感じさせた。自分の大事にしている領域が少しでも侵されそうになると絶叫して抵抗しそうな。大学生のほんのひととき彼女を通っただけで、その後の活動は全く知らなかった。

これは2008年のCocco。思った通り、私のCoccoのイメージは変わらなかった。今も自分を愛し、他人を愛し、沖縄と沖縄の人々を愛していた。思ったよりも気さくな人柄だったことにホッとしたりもした。内地のことを"日本"と呼ぶのにドキッとした。

政治の犠牲になる沖縄や六ヶ所村を愁い、切実に思いを訴える涙のMCには、毎回観客のすすり泣きが聞こえる。観ている私まで何度ももらい泣きしそうになった。Coccoの曲をまた聴こう。そしてあの頃のイノセントな気持ちを抱きしめよう。
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