まるでレコード。A面(前半)は激しいヒップホップ、B面(後半)はしっとりしたバラード。嵐が去った後の静けさ。全編通して幾つもの表情を持ち、それぞれに秘めた感情が複雑に絡み合っていた。
綻びは突然、愛の暴走、突発的な狂気へ。ジワジワ時間をかけて、愛が憎しみへと変わる様子はとても生々しい。残された家族に心から笑える日はくるのか。
救いも突然、生への希望、穏やかな愛へ。
エミリー役の女優さんが素晴らしかった。自責の念に苦しみ、常に憂いを帯びた表情。ゆっくり心が開いていく中で、少し遠慮したような笑顔は、一際まぶしい。
根底にあるのは家族の再生。時折挟むスタイリッシュな映像や音楽が邪魔をするわけでもなく、絶妙なバランス感で成り立ってます。新感覚かも。
ラストシーンはエモーショナル。
お気に入りのレコードの針をそっと外し、目を輝かせ次のレコードを探してるような、、、そんな気がしたのだよ。