ゆっけ

WAVES/ウェイブスのゆっけのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
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兄と妹の二人の視点から見る、家族の崩壊と微かな再生(希望)を描いた作品。
映像(カメラワークと色合い)がとにかくおしゃれで美しくて、引き込まれました。

前半の兄タイラーの人生がとにかく悲惨。雪だるま式に転落していく人生。ここまでヘビーな内容になるとは思わなかった….

思春期ならではの叫びたくなる衝動というべきか…繊細さがリアル。

親父へのコンプレックス。
妹が家族に対して抱く煮えきらない想い。
父親と母親の振る舞い、両親の関係性にも原因があって、それぞれが複雑に絡み合うことで、こういった悲劇が起きたんだろうなと思いました。

さらに「プレイリストから生まれた映画」と言われている通り、音楽が見事に兄タイラーと妹エミリーの心情とリンクして、感傷的になります。映画を観終わった後は、Spotifyで流れていた音楽を聴きたくなりますね。

兄と妹、それぞれの対比的な車のシーン、水辺のシーンもよかったです。

取り返しのつかないことが起きたときに、立ち直ることの難しさ、人間の弱さや、それでもなお立ち上がろうとする強さみたいなのも感じられる映画でした。
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