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WAVES/ウェイブスのtouchのレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.6
"愛は全ての罪を覆う"
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愛と憎しみ、生と死、赤と青の明滅
人生の満ち引きを極彩色で鮮やかに描き出す。
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将来を冷たく閉ざされた兄と人肌の温もりを知っていく妹。
「第二幕はない」という劇中の言葉通り、人生の一回性を強調する兄妹の二幕構成で、人生の明暗、家族の断裂と再構築を対比的に見せる。
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‪ポスタービジュアルのイメージからポップな音楽映画かと思いきや、胃が痛くなるようなヘビー級メロドラマで面食らう。
歯車を狂わせていく中盤、じわじわと責めるサスペンス展開で、これは「イット・カムズ・アット・ナイト」の監督の作品なのだと思い知らされる。
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若干30歳のトレイ・エドワード・シュルツ監督、まだキャリアが浅くポテンシャルは未知数だが、照明・撮影への強いこだわりは窺い知れた。
どこかで見たような画ではない、彼ならではのオリジナリティを感じさせるような作品を撮っていってほしいと思う。
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