このレビューはネタバレを含みます
レスリング選手として将来を嘱望されるフロリダの高校生タイラー。息子に夢を託す父親は厳しいが、裕福な暮らしと美しい恋人とともに充実した日々を過ごしていた。
しかしタイラーの肩の負傷から全てが壊れていく。試合では負け、家族はバラバラになり、恋人は妊娠が発覚。そして追い詰められたタイラーにより、最悪の事件が引き起こされてしまう。
今どきフロリダのティーンエイジャーと家族の再生の物語。A24製作かつピッチフォーク高評価常連アーティストで構成されたプレイリストみたいな使用曲は安心して褒められるやつや!
正直そういう「自分アゲるためのアイテム」として使われる風潮にだんだん興味がなくなってるし、めまぐるしく変わるシーンや使用曲にも気忙しさを感じてしんどいな…これはノットフォーミーだなと。
主人公がタイラーの妹エミリーに移ってからのヒーリングのような展開は引き込まれた。犯罪者となった兄/息子を持つ家族はもちろん傷ついてるのに、世間によって更に追い詰められ家族バラバラとなる。罪を犯していないエミリーがSNSのアカウントを削除する意味とは。
ここで終わったらおしゃれテイストな葛城事件なんだけど、ちゃんと救済を用意してきた。
タイラーの部活仲間ルークの不器用な優しさによって彼を受け入れ再び青春を取り戻したエミリーは、ルークが抱える家族の傷も修復したいと思うようになる。後半の展開よかったです。ただ、タイラー一家が好奇と憎悪の視線から解放されるのはまだまだ先なんだろうな…
LOVEもHATEも同じ4文字だよねという話。オバチャンにはちょっと情報過多な前半しんどかったけど終盤のレディオヘッド「True Love Waits」とアラバマシェイクス「Sound & Color」に救われました。