コンテナ店子

WAVES/ウェイブスのコンテナ店子のレビュー・感想・評価

WAVES/ウェイブス(2019年製作の映画)
3.5
非常に独特でストーリーがすごく断片的な代わりに光や音楽で感情や状況を表現することがあって、それがとても芸術な表現だったので映画を見てる間常に緊張感に溢れていました。

それに、キャラクターもすごく良かったです。基本は主人公の少年に焦点を当てたような作品でしたが、その生活している様子や持っている人格形成がすごくリアルでスリラーっぽいジャンルの映画ではありますがある種の青春ドラマのようでした。色んな若者らしい悩みだったり成功体験を感じている様子を見ることが出来たので、彼の事を好きになって一喜一憂を見ることが出来ました。

それ以外にも黒人コミュニティを舞台にした話らしくラップのような曲を使うことが多かったですが、それが思ったよりも色んな使われ方をしていて、統一感があるのに見ていて感情の繊細な変化をよく見ることが出来ました。

また、演技も素晴らしかったです。主人公を演じたケルビンハリソンジュニア筆頭に素晴らしく、けっこうカメラが激しく動いたりしてる時が多くて中々見えにくかったですが、要所要所でしゃべらずともいい表情を見せていてその度に驚かされました。

ただ、映画が前半と後半の2つに別れていましたが、後半部分がちょっと微妙でした。急にトーンが変わって困惑しましたし、映像や音楽も芸術よりもリアル寄りになりましたし、ストーリーもちゃんと筋道だって表現されるようになって、1つの映画としてずれているように感じました。そこもストーリーのメッセージ性として悪くはないですが、急に変わったので終わったと思って気が抜けてしまいましたし、切り替えるのに時間がかかりました。

後半部分をちょっと短くして映画をもう少し短くしたら☆4になったと思います。個人的に好きなスリラーとヒューマンドラマを掛け合わせたような映画だったのでだいぶハラハラしましたし、キャラクターに親身になることが出来ました。上記2種類のジャンルが好きな人にはかなりおすすめです。
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