これを見たあと久々にジョギングを再開したのはこういう上質な映画だけが持ってる純文学的な作用にあると思っていて、例えばものすごく美味しいものを食べて勇気をもらうということは全然あると思う。ただの紙の束であり文字の羅列でしかない小説が何故か実人生に影響を及ぼしうるというのは本当の芸術作品なら普通に可能なことだし、単音の羅列にすぎない音楽が何故か人にある感情を抱かせ行動の変容を促すことすら可能だということ。それと同じようにして暗号資産とかスパイ・ガジェットとかスポーツ・カーを見ると男の子は絶対に勇気が湧くし元気になる、少なくとも俺はそう。あと違うタイプの美女を3〜4回連続で見る、その美女を悉く虜にしていくイーサン・ハントを見る、これらのことも男の子の人生に重大な影響を与えるよね。俺はミッション・インポッシブルも含めて007シリーズは全部好き。何故ならカッコいいから。悲しいからでも嬉しいからでもなくカッコ良すぎて泣くのは007シリーズのみ。望んだわけでもなく不様な容貌とつまらない境遇に生まれつき自らの不運を嘆き頓馬な人生を歩んでいる大半の人間にとって、イーサン・ハントの"エクセレンシー"は一服の清涼剤であるのみならず、"完璧"への飽くなき探求心を思い出させてくれるものなんだ。子供の頃からハリウッド映画のヒーローに勇気と元気を貰ってきたおじさんが、今でもこれに勇気を貰っているのはなかなか良い話だろ?これは聖域なんだよ。あとこれに出てくる”それ”(原作中ではEntity”とされてるもの)って絶対に中国のSF小説『三体』の智子(ソフォン)の影響を受けてる、ってかパクってるだろw