このレビューはネタバレを含みます
『ミッション:インポッシブル』シリーズ第7弾!
イーサンの最後の敵はもはや人ではなく、世界中のデジタルを司るAI”エンティティ”。デジタル情報が全て信用できなくなり、イーサンすらも疑心暗鬼になって行く。通信をハッキングし、イーサンの強みであるチームの連携を乱してくるのも面白い。
空港のシークエンスでは、追って来るCIAのジャスパーを華麗に出し抜く一方で、陰でベンジーが核爆弾を1人で解除する羽目になる。ここでさらに、イーサンがIMFに入るきっかけとなった、30年前の事件の因縁の敵ガブリエルが、エンティティと手を組んでいることが発覚。次々に事態が急変して行くハラハラ感と、リアルタイムでデジタルデバイスから存在を消される男という、かつてない未知の敵との遭遇感が非常に面白かった。
オープニングもいつもと違い、戦闘時の潜水艦内の緊迫した空気感がシリアスに描かれる。これから起こる最終章の重厚感が伝わるし、なにより面白くて一気に惹きつけられた。
グレースの前で格好良く配車したのに、操作方法も謎の黄色いちっちゃい車が出てきたのは笑った。ゴツい装甲車との対比が新鮮で面白かったし、笑いながら警察もろともなぎ倒して行くパリスから、グレースと一緒に逃げるわちゃわちゃ感が最高だった。
そして27年の時を経て、まさかのキトリッジがCIA長官として再登場。そういえばホワイト・ウィドウは1のマックスの子供だしね。終盤にはガブリエルと列車の上での戦闘もあり、最終章に相応しく、1作目への愛に溢れている。列車の上で障害物を避ける所は『ゴースト・プロトコル』の貨物列車に乗り込むシーンに似ているとも思ったり。
ルーサーとベンジーと共に、すっかりいつものチーム感が出てきていたイルサ。だからこそイルサが死んだのが悲しすぎる。ローマの橋の上での、彼女の最後の決闘がおしゃれすぎました。正直イルサが死んだのは複雑だけど、それによってグレースがIMFに入る決心をしたのは良かったし、たった1人で変装してミッションをこなす、しかも相手はキトリッジというのが、イーサンとは違ったドキドキ感があって面白かった。
そしてなんといっても目玉の、崖からのバイクダイビング。これが意外にも終盤で、しかも場当たり的な作戦だったというのが驚き。ただ、思ったより見せ場感がなくて、メイキングの方が凄さが伝わってきたかも。走る列車に着地する時の勢いが好き(笑)
ラストの一両ずつ落ち行く列車を駆け登って行くアクションが最高。登っては落ちての繰り返しにずっとハラハラドキドキしてたし、一両ずつ内装が全く異なるのも楽しい。最後パリスが助けてくれたの胸アツすぎる。