emi

コリーニ事件のemiのネタバレレビュー・内容・結末

コリーニ事件(2019年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

頭に二発の銃弾を受け踏みつけられたハンス、逮捕されるも頑なに犯行の動機を語ろうとしないコリーニ。
新人弁護士のカスパーはそれと知らず弁護を引き受けるが、殺されたのが幼少期親のように接してくれたハンスと知りショックを受ける。公平な立場を保てるか自信が持てず、一時は辞退しようとするが…。


ハンスは当時どのような心理状態であのような事をしたのか、その後の人生、彼は図書室にどんな気持ちでワルサーを隠していたのか。

コリーニの動機は理解できるもので、ハンスを擁護するわけではないけれど、特殊な環境下での出来事をどこまで遡り、どの段階のどんな法律で裁くのか。色々考えてしまった。

ドイツに限らず多くの国で、少なからず戦時中に似たような事件は起こっている。スタンフォード監獄実験が頭をよぎった。立場がハンスをそうさせたのだとしたら…。まぁだとしても自分がコリーニの立場であったならハンスを許せそうにもないし。うーん…。

コリーニが生きていたならどのような結果になっていたのたろう。多くの問題を投げかけてくれるけれど答えは描かれない。完璧な法律なんてないのだろうから、答えなんでどこにあるんだろう?って話ではあるけれど。

映画としては派手さはなく単調に感じるシーンも多かった。その雰囲気含め良作だが、主人公のバックグラウンド等、要素が存在する割に描写が浅くやや分かりにくい点もあったようには思う。
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