べ

尾崎豊を探してのべのレビュー・感想・評価

尾崎豊を探して(2019年製作の映画)
1.5
18歳でカリスマと呼ばれ、26歳で伝説となった男・尾崎豊。の、なんかようわからんオマージュ…いやコラージュ?作品。
観ている間は、こんな映像に2500円も払ってしまって、レビューでどう扱き下ろしてやろうかとばかり考えていた。ところどころ面白すぎて、笑いを堪えるのに必死になってしまうのである。こんなにも大好きで尊敬している尾崎の作品でこんなふうに笑ってしまう日が来るとは……。
そもそも、素材はいいのだ。尾崎は360度どこから見てもかっこいいし、使われている音楽も当然最高。楽屋映像なんかも今まで知らなかった彼の一面を垣間見せる非常に興味深いものばかりだ。それらを、普通に、見せてほしかった。味わわせてほしかった。やめろ、尾崎の映像をむやみやたらと切り貼りして変に編集すな…!ダサいフォントで歌詞を表示すな…!変なエフェクトを掛けるな…!はやく、はやく終わってくれ…!!そう願うばかりの2時間であった。
だが、終わってみると、どうであろう。不思議と、もう一度観たい、もっとあの感じを味わいたい、そんな気持ちが湧き上がってくる。愛おしささえ感じる。尾崎の音楽と同じだ。この映像作品は恐ろしい中毒性を秘めている。
「尾崎豊を探して」──確かに私は鑑賞中、ずっと己の中の尾崎を探していた。見つけられたとは言えない。言えないが、もっと探していたいと思った。監督の次回作に期待したい。
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