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花と雨のrichardのレビュー・感想・評価

花と雨(2019年製作の映画)
3.0
リアルなストリートのことはよくわからんが、ただ、思う、それがてめーのリアルなんか?本当に?

画はめちゃくちゃキレイ。カメラも好み。だからなんか起こるんとちゃうんかなってずっと期待してみてしまったが特になんも起こらんかった。と思うわたしはまだまだだな。前情報もなしにSEEDAのことも知らずに観始めてしまったためなのか、なかなか感情移入しづらいと感じながらも観られたのは笠松くんと大西さんの演技と映像美のおかげでもある。ディーラー業もうまくいかなくなって空回り、パクられるシーンとか、さっさと捕まればいいのに、ってずっと思ってた。
ダサくて恥ずかしくてどうしようもねぇよ。

HIPHOPのリアルはよく分からない。こういうもん、と言われれば終わりで、これが受け入れられないのならこの映画は観ない方がいい、と言われればそれまでなのだろうが、やっぱり法をおかしている人に対してどんな気持ちで寄り添えばいいか分からない。が、ロンドンに生まれ人種で差別を受け、日本に来ても状況は変わらず、自分とはなんなのか、何をすれば認められるのか、ということに悩みもがき苦しむ若者が、手に出したドラッグでこうして認められ、自分に向いてる!と思ってしまえば、そこから抜け出すのは困難なのだろうな。
ごはんめちゃくちゃかきこむんはリビングを早くあとにしたいからなのか?わたしはそうだった思春期があるからそうなんだとしたらすごくよくわかるよ。

調べれば理解できるかもと思い、解説やインタビューを読んでみたが、正直読まなきゃよかったと思ってしまった。
■ 脚本に関しては、脚本家たちから10数回にわたる聞き取り取材を受けて、「もっとハードな内容のトピックはなかったか?」とか、ディテールなども含めて完成させていった形です。脚本は物語として優れた内容になったんですけど、いざそれを映像に落とし込む作業は、本当に苦労しましたね。実際に映像にはできなかった話もあったくらいなので。
だそうだ。
やっぱり受け入れられない。もっとハードな内容… 参考にするためにしても、制作側のなんか、こう、印象操作みたいなのを感じとってしまうし、実際に映像にできなかった話もあったくらいなので、と言われましても、へぇ すごいね!とも思わないし、映像にできなかった話のことを想像してしまい気分が悪くなる。

そのくせ、「ただ、映画が完成してみて、やっぱりもっとこだわりたかったという欲は生まれました」と言われてしまう始末。納得のいかない映画だったらしい。それを言われてしまえば、じゃあ我々が観た世界はなんだったんだ、と思う。
誰が救われるんだろうと思う。
観た人もモヤモヤが残る。
べつにドキュメンタリーなわけでもないんだから。
この映画がSEEDAのリアルである必要はないし、リアルでないのならよりいっそう、何かが救われてほしかった。と思うのは観客のエゴか?

■ 実際に主演の笠松将さんは「親切な映画ではないかもしれません」というコメントをし、監督も「一般のニーズに合わせて映画を作る意味はない」と語っています。
なるほどそうか。分かる人にだけ分かればいい、なるほど。なるほど。ってひとつもなるほどできない!もっと主人公のことを知りたかったし、SEEDAの世界を教えてほしかったんだよ!わたしは!置いていかないでくれ!そう思ったわたしはきっとこの作品に何か希望を求めていたんだな。観客にそうしたモヤモヤを残すこと、あとは自分で考えてねって突き放すのが目的なんだとしたら大成功なのだろうな。

姉ちゃんがどこまでもいい姉ちゃん。
最後になってやっとちゃんと出てくる両親に違和感を持ったが、主人公にとって親っていうのはそのくらいの存在だったんだともとれる。庭がくりかえし出てくるのは、もうそこにはないものの存在のことを表しているのかもしれない。

アイダがまじでずっとよくわからんかった、
麻生さんはやさしかった。

何かが起こるかもと思いながら観たわたし。
自分は特別なんだ、自分に追いついてないのは周り、人生の転機が自分にはすぐにでも訪れるのだ、自分には何かが起こるのだと信じてやまない吉田。悲しくもその転機というのは、大切なものの喪失とともに訪れるらしい。
大切なものを失った人にだけわかる、喪失感と孤独。
ぴりついた心の触れれば爆発するほどの不安定さだけは、よく伝わってきた。それで正解なのだろうか。分からない。

現実みたふり
理想のかたまり
world is yours
世界はてめーのもんになったか?
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