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ガンズ・アキンボのblacknessfallのレビュー・感想・評価

ガンズ・アキンボ(2019年製作の映画)
4.0
ネットの荒らしで日々の鬱憤を晴らすクソリプ魔神のゲームプログラマー、マイルズ(ダニエル・ラドクリフ)はスキズムという犯罪者やサイコパスの殺し合い配信する闇サイトにクソリプを送ったことで、サイト主催の組織に両手に拳銃をボルトで固定され殺人ゲームに強制参戦させられる。相手はニッキーというサイト最強の殺人マシーンの女の子、マイルズはサバイブできるのか?

ネット社会の深刻な弊害をテーマにネットによって解放された人の悪意をユーモラスに巧みに描き出すハイセンスなアクションコメディだった。
殺し合いに熱狂するサイトユーザーは醜悪なんだけどポップに演出してるため見るに耐えないほど辛くない。あくまでマイルズが右往左往して必死にサバイブする様に主眼を置いてるからそんなに気にならないと言うか。

イカれた殺人狂にしか見えないニッキーの過去が明かされ悪役だった彼女に感情移入できるストーリー展開も見事。このニッキーがかなり魅力的だった。黒を基調にしたファッションで革ジャンもパンク的でメイクはうっすらゴス感があり好きなビジュアルてのもあるけど、強いだけじゃなく奥底に秘めた繊細さが尊大な態度と毒舌の狭間に顔出す時があり、その塩梅がなんともいい感じ。実は優しくてかわいい女の子みたいなベタな演出ではなく基本、強くてワルなんだけど一部にそういうキュートな面があるというバランスであざとくない。男受けを想定してないとこがいい。

そんなニッキーに命を狙われ、口だけ野郎のマイルズは無様に逃げるしかないんだけど、バトルを通して自分の精神の醜さに気づき成長していく。ニッキーに対峙できるまでの知恵と度胸を身につける。
そして二人の対決は思わぬ方向に向かいスキズムの存在を脅かしていく。

アクションもポップながらハードさもありおもしろかったし、何より設定を活かしきった深みのある脚本が見事!
アクション映画はこういうのでいいんだよな。低予算過ぎずスケールが大き過ぎず全て丁度よかった笑
マーベルのビッグCGバトルも魅力的なんだけど毎度お馴染みで食傷気味だったので心地よく感じた。

唯一残念だったのは、マイルズが超くそ野郎って設定なんだけどそこまでクソに見えなかったとこ。だから殺人ゲームに放り込まれてザマァw みたいな感情があまり湧かなかった。最終的善人になるのは定番なんだから、もっとメリハリつけてほしかった笑

しかし、ダニエル・ラドクリフ、ハリポタ卒業してから角が生えて難儀する男(ホーンズ)や動けて喋れておまけに便利な死体(スイス・アーミーマン)とか役のチョイスが素晴らしい。ハリポタの頃は縁のない俳優だと思ってたけど、どんどんおれの方に来てくれる笑
ご両親がハリポタのギャラをしっかり貯金して残してくれて一生困らないから好きな役だけ選んで出てるんだよな。趣味がいいよ笑
金に困ってガンガンおれ得映画に出続けてくれるニコラス・ケイジとは対照的な笑
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