うえびん

ダンサー そして私たちは踊ったのうえびんのレビュー・感想・評価

3.6
ジョージア(旧グルジア)を舞台にした映画。伝統舞踏、石造りの住宅、食事結婚式など、とっぷり異文化に浸ることができた。

前半に舞踏指導者が言った言葉「舞踏は完璧を追求することではない。我が国の精神そのものだ」が印象に残る。

主人公メラブは、この言葉(思想)に抗って自らの欲動を解放してゆく。青年期のナイーブさと奔放さが入り交じった姿がリアルに描かれ好印象。物語の最後、様々な経験を経た果て、欲動に突き動かされるダンス(躍動する肉体)シーンは圧巻。

我が国における“守破離”の過程が描かれていたのかな、と思う。とすると、メラブが舞踏審査の前夜、部屋の壁に貼られたポスターを剥がしながらも、「千と千尋の神隠し」だけを剥がさずに残したのは?

ジョージアの伝統・精神を守り、破り、離れるのに“日本”という異文化を頼りにしたのかも…
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