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失くした体のhonobonのレビュー・感想・評価

失くした体(2019年製作の映画)
4.3
一人の青年と取り残された右手。

触れることでより濃く記憶を呼び起こす手の感触というアイディア。ヘッドホンから聴こえるそこで起こっているんだと空想させる再現力。
普段生活して当たり前のように接ししすぎて気付かない感情を生み出してくれる。

最初は冒頭の不気味さから始まりカタツムリのように手が缶を背負うシーンのコミカルさに戸惑い……不思議な作品であることは確か。

手の視点だったり、細かな動きは見どころの一つ。あと、青年と35階の住人も、青年と右手も。ハトもハエもネズミも。
そして、どこかAKIRAを思い出すような映像。

ラストは哀愁と希望を同時に味わえ、人間の喜びを貰える。
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