Mursh

イン・ザ・トール・グラス -狂気の迷路-のMurshのレビュー・感想・評価

3.4
CUBEの監督がスティーブンキングの原作を映像化したような映画。

「ような」じゃなくてそういう映画だった。

「CUBE」の響きを久々に聞いた。
まだ、ビデオの時代。
無名の俳優、無名の監督、しかもハリウッドじゃない映画でこんな作品があるのかと興奮したのを覚えている。
その後、CUBEをパクった映画が続出。ふむふむ、これは正式な続編かな?と、原題を見ると全く違うじゃねーか。
その時から日本のクソみたいなマーケティング事情に勘づき始めたのであった。

本作はストーリーの時点でスティーブンキング臭がスゴイ。
兄妹2人が、日本にはあまり見かけない背丈以上の広大な草むらから少年の助けを求める声を聞く。助けに入ると、わけもわからず出れなくなっちゃう映画。
まあ、誰でも想像がつくかと思うが、時間ぐるぐる系である。

設定の面白さや不気味さは上手く表現できているが、キング特有の「そこまでやっちゃったら寒い」というところが本作でもやはり健在で少し残念。
「よくわからないけど怖い」だけで止められないのがキング。
美味しくパフェを食べてたら、最後の底のコーンフレークが安っぽく湿気ている、そんな残念感。

もっと上手くできたであろうと悔やまれる点が多い映画であるが、全体を通して決してつまらなくはなく、ある種、パッケージ、宣伝から期待していた通りの映画。

"コーンフレークは湿気ているのではない、アイスでふやけて食べやすくなっただけだ"、なるほどこういうことである。
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