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フラクチャードのkojikojiのレビュー・感想・評価

フラクチャード(2019年製作の映画)
3.8
2019年 アメリカ 監督ブラック・アンダーソン 主演サム・ワーシントン
 
フラクチャードとは「骨折」の意味らしい。

 脳の断面図が映し出される。
 どんよりした雪景色の田舎道、どこまでも続く一本道を、夫婦が諍いをしながら車を走らせている。どこまでも、どこまでも暗い景色が続く。今にも何かが起こりそうな音楽とシーンが続き、立ち寄った休憩所で不気味な犬が出現する。非常に象徴的なシーン。そして事件が起きる。
 
落下した主人公の耳に昔の記憶、「二人とも死にました亅という声がする。現実からの逃避の合図だ。

主人公は目覚める。それから何か変なのだ。現実かどうかわからないようなシーンが続く。
 きっとそうだろうとどこかで思い始める。妻とのやりとりが妙にうまくいきだし、何もかも都合がいいような会話になってくる。主人公の現実逃避の思考と現実が交差する。そこから、戦慄と不安が重なる。

 「やっぱり」という結末だが、いよいよ終わりというところで、もう一度どんでん返しを匂わせる演出がラストを盛り上げる。
面白い作品だった
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