ケイスケ

仮面病棟のケイスケのレビュー・感想・評価

仮面病棟(2020年製作の映画)
3.2
これは…どうなんだろう…。いや面白いとは思うし丁寧に作られてはいるけど、ちょっと伏線の張り方も丁寧すぎる。どんでん返しを売りにしているから謎を提示するのはいいけど、あからさまに「あ、ここ後で何かしら回収するんだろうな」というシーンが目についてしまいます。

医師の速水は、一日だけの当直医として元精神科病院に出向く。だがピエロの仮面をかぶった凶悪犯が突然押し入り、傷を負った女子大生の瞳と院内に立てこもる。速水は、身元のわからない64人の入院患者や病院の職員らと一緒に監禁されてしまう。

これは個人的な問題もあるんですけど、世の中に“道化恐怖症”の人って多いじゃないですか。でも自分、ピエロの見た目をそんなに怖いと思ったことないんですよね。そりゃ今回の犯人みたいに銃を振り回してるピエロがいたら怖いけど。それは撃たれる恐怖だからピエロそのものとは違うしね。

木村ひさし監督作の『屍人荘の殺人』がなかなか面白かったので本作も鑑賞。おそらく屍人荘の殺人のクローズドサークル描写を買われての起用だと思いますが、本作の病院はたぶん普通に外に出れます。てか主人公もヒロインも自由に行動しすぎだろ!

最初にも触れましたが伏線が露骨というか。普通は伏線って「こういう行動だと思っていたら実は別なことをしていた」ってなると思うんだけど、本作は「怪しい動きをしていると思ったらやっぱり怪しいことをしていた」…ってなんじゃそりゃ。あと種明かしをするシーンによくある『ユージュアル・サスペクツ』的な振り返りシーンがやたら長い。

とにかく「あれも回収しなきゃ!これも回収しなきゃ!」といったことが多いため、途中で若干ダレてきます。ただ上手い伏線もあったため全部ダメというわけではないです。高嶋政伸の怪演はやりすぎ感もあって結構好き。個人的にはちょっとハマりきれませんできたが、ちょっとしたどんでん返し系の映画が観たいならオススメかな。