マクガフィン

仮面病棟のマクガフィンのレビュー・感想・評価

仮面病棟(2020年製作の映画)
3.2
〈信用できない語り手〉手法をセリフにする観客への揺さぶりと、最近トレンド的な終盤の上書きするような手法はあるが、一通り出尽くしたと感じるミステリーに向かい合って取り組んだことに好感。原作未読。

鍵の件で共犯者が分かるし、銃痕に見えないカモフラージュ方法など気になる点もあるが、〈犯人捜し〉+〈脱出系ミッション〉+〈犯人と病院の違和感と謎〉の捌き方に感心も。

沈黙の使い方が上手く、違和感を挟んだり、そこそこの緊迫感をキープし、伏線回収が弛緩しなく、事件後の〈その後〉も蛇足にならない出来栄えに。終盤に一気に主役を奪う永野芽郁が良く、ピエロの仮面と女性のメイクの扱いが、何気なく印象的に。