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映画 ギヴンのakariのレビュー・感想・評価

映画 ギヴン(2020年製作の映画)
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“会いたいとき 抱きしめたいとき
思い出す記憶を 過ごした時間を
この心の背もたれにして”
誰かが秋彦を変えたと感じた春樹。その誰かが春樹だったと気づいた時、抑えていた感情が溢れだしました。雨月や遊び相手のことを春樹には隠していたり、どうしようもなくなった時に春樹にだけは甘えられたり。秋彦ほんとずるいけど、そこが魅力なんだと思います。そんな秋彦にとっての春樹は、春樹自身が思っているよりも特別な存在でした。
「高校で秋彦と出会って、初めての恋がまあ楽しくて」ここの雨月がすごく幸せそうな声を出すからぎゅっと切なくなりました。秋彦と雨月はどうしてもお互いが必要で、依存して苦しんでいました。バイオリンがなければ出会えなかったのに、バイオリンがあったから上手くいかなかった。雨月と離れることで音楽を楽しみだす秋彦は、雨月目線で見るととても辛いです。そして、真冬の歌声が大丈夫だと、2人の背中を押す。真冬が作りたかった、完結した恋の“次”の歌に心が動きました。バイオリンがなければ出会えなかったのに、バイオリンがあったから上手くいかなかった。だからバイオリンだけは、音楽だけは2人に残り続けます。
勘が鋭すぎる真冬が面白すぎました。ライブ審査の前夜、立夏にちょんともたれかかる真冬が可愛かったです。もう終始真冬が可愛い。歌う真冬を見てまた泣いてそうな柊くんも良かったです。
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