takanoひねもすのたり

ドリラー・キラー 劇場公開版のtakanoひねもすのたりのレビュー・感想・評価

3.3
NYに住む画家のリノ。
雄牛を題材にした大作を制作中だがアパートに越してきたバンドの騒音で苛々。
金欠、スランプ、恋人と口論の四面楚歌。
鬱屈が憤懣が溜まりに溜まり。
ある日店先で見つけたポータブル充電器つき電動ドリル。彼はそれを手に凶行に走る……というスラッシャーホラー。

リノはアベル・フェラーラ監督本人。

リノと同居する恋人と同性のパートナー(3人同居、男女女)はバイセクシュアル。
少し彼女らのサービスシーンがある。
リノは寝室で服を着たまま寝るし、恋人と一緒にベッドにいることもない。はい?

リノがアーティスト気取りのヒモっぽいんだけど、その割に態度がデカい。
画廊と取引があるので以前は新進気鋭の画家ってポジションだったのかも知れないけど。
現在はスランプで怒りを募らせる男。

彼は直情型の性格、電話代の取立が来る(お金が無い)でブチ切れて電話を窓の外へブン投げるわ、食べ方はガサツ、ピザは独り占めがっつく(耳は残す)他の2人への気遣いは無し。こんな男に何故惚れた(食べ物の恨みは強い)

電動ドリルで襲撃するのは男性のみ。
フロイト先生なら何か仰いそう。
彼の性的指向が実は同性だけど、マッチョイズムに支配されており自分でそれを抑制するため攻撃に転じてるってことですかね……?

ペットかと思いきや、食用に加工しとる!!!
という大家が結構衝撃。

サントラのヘンテコぶりはこの際良し。
ロックバンドの演奏シーンが多いのは尺稼ぎか何かなのかw

NYの夜の街を電動ドリルを手に走り回るシークエンスは良いっすね。
グログロな演出はないけど、ドリルなので痛そう、とても痛そう。

この時代のNYめちゃくちゃ治安悪そう。
同系スラッシャー『マニアック』が被る。

あと彼の描く絵は悪くなかった。
あとパンツの尻が破れていたよ!リノ!