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オーディナリー・ラブ ありふれた愛の物語のkuuのレビュー・感想・評価

3.5
『オーディナリー・ラブ/ありふれた愛の物語』原題 Ordinary Love.
製作年 2019年。上映時間 92分。

長年連れ添った夫婦が妻の乳がん告知に直面し、ぶつかり合いながらも支え合う姿を描いた感動の夫婦ドラマ。
イギリス産作品。
リーアム・ニーソン&レスリー・マンヴィル主演。

トムとジョーンは長年連れ添った夫婦。過去には大事な一人娘を喪うなど辛いこともあったが、今では軽口をたたき合いながら日用品の買い物に行ったり、決まった場所まで仲良くウォーキングをしたりと、平凡な日常に幸福を感じていた。
そんなある日、ジョーンが乳がんであると判明し、膨大な検査、手術、そしてつらい抗がん剤治療が始まる。
献身的にジョーンの看病をするトムだったが。。。

『96時間』シリーズとか、近年アクション俳優としてのイメージの強いリーアム・ニーソンが妻を支え、時に葛藤する愛情深い夫を演じてて、演技派英国女優レスリー・マンヴィルとのリアルで自然な掛け合いが巧みでした。
今作品は、原題、邦題共にまさにその言葉通りの物語でした。
平凡でいて、人間誰しもそれぞれ波乱万丈で、美しい愛の肖像をもってます。
今作品はそのトムとジョーンの厳しい時代を進むカップルの旅を描いており、期待通りの思慮深さとニュアンスを備えてました。
ストーリーは単純でしたが、必要なことはきちんと伝えており、それゆえにリアルであると感じられました。
今作品の焦点は、実際にはそれほど頻繁に探求されていないものを、めちゃ繊細に描かれているのを見るのは素晴らしいことでした。
地に足の着いた、ロマンチックではないロマンスも見事かな。
限りなくリアルに近い、正直で感動的な愛の探求は、決して高揚したり偽ったりしていないように感じられました。
主演の2人は、繊細で、期待以上に難しい役柄を巧みにこなし、本質的にマブ(眩しいと本物を含味)の人間である2人を説得力あるものに仕上げてます。
二人には欠点があり、云い争いもすっけど、否定できないつながりもある。
それが生かされたとき、本当に心が温かくなる。とは云え、突き詰めれば、この映画はそれほどエキサイティングでもなければ、インパクトがあるわけでもないのも確かかな。
誤解を恐れずに書くとすれば、十分魅力的だし、退屈することもないけど、必要以上に心の奥には個人的に響かなかったかな。
何が足りないかな、うまく言葉にできないなぁ。
良い作品ではあるけれど、絶賛に値する作品ではない。
ただ、些細な台詞やしぐさで表現される夫婦の愛情が静かな余韻を残したのは確かですが。
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