分断という言葉、主語を狭める必要性。心に残るフレーズだった。普段テレビで見ている印象とは違って、自分の足で稼ぐ姿勢に感心した。
構成としては、それこそ分断されたチャプターを繋げているんだけど、順序に制作者の意図がちりばめられている。映画として、ドキュメンタリーとしての評価はともかく、問題提起の新しい形。
堀さんによる舞台挨拶でも、監督としての想いがほぼ演説的に語られた。質問ができなかったので、パンフレットにサインをいただく際に少し話をした。とても丁寧に語ってくれた印象。
先日観た「娘は戦場で生まれた」も、よく考えれば主語が絞られている。たまたまかもしれないが、見えてくるものを焦点化できる手法だと感じた。
てっきり、社会の事象として弱者を分断するな、という意味かと思ったが、それに加えて、主語を大きくすることで事実を分断したくないというメッセージも込められていると分かった。そして、堀さん自身の戒めとして「私は」とつけていることも。
右とか左という概念ではなく、いち地球市民として、観るべき映画。
