恭介

スターゲイトの恭介のレビュー・感想・評価

スターゲイト(1994年製作の映画)
3.3
ユニバーサルソルジャーの
スマッシュヒットで勢いにのる
エメリッヒ監督と盟友デブリン君のゴールデンタッグが放つメジャー第2弾!

次作のコンビ決定打で、エメリッヒが
破壊王の称号を手に入れた
インディペンデンスデイの
手慣らし的作品が本作。

スターゲイト・・
なんて単純明快で響きがよく、まるで
中学2年生が考えついたような
素敵なタイトルだ。

今なお謎が多いエジプトのピラミッド。
そんなワクワクする歴史的建造物を
キーとして壮大なスケールで送る
SFアクション映画。

ひと昔前にエジプトで発掘された
謎のデカいリング状の物。

長い年月を経て、その謎を解明しようと
アメリカは日夜研究に励んでいた。

そして現在・・

エジプトのピラミッドなどの遺跡や
言語について研究している
スペイダー演じる博士の元に軍から
召集がかかる。

そこには例のデカいリングが。

博士がリングに刻まれている絵文字を
解析すると、それはスターゲイトだった。

つまり星と星とを一瞬で繋ぐ門だったのだ。

起動した門をくぐり、調査に向かう
カート・ラッセル率いる兵士達と
スペイダー博士。

果たしてスターゲイトをくぐった
向こうはどんな世界なのかっ

が、序盤までの展開。

正直っ!ここまでは良かった!
テンポよく緊張感を維持しながら
スターゲイトの謎を解くまでは・・

エメリッヒ監督とデブリン君の
コンビはとにかく、壮大なスケールと
破壊する快感を味あわせてくれた。

次作のインディペンデンスデイで
頂点に達し、超特大ヒットをものにする。

が、かの有名なゴジラであって
ゴジラでない映画でミソをつけ
あえなくコンビ解消。

エメリッヒ監督はその後もスケールと
破壊の美学を追求し
デイアフター・トゥモローや2012
などで、世界を何度もぶっ壊し
ディザスタームービーならエメリッヒ!
の称号を得る。

因みに来年公開されるムーンフォール
でも多分また、世界を破滅の危機に
晒すだろう(笑)

また、デブリン君はコンビ解消後に
念願の監督業に進出し、ジオストーム
なんて言う、エメリッヒの後釜を
狙うようなディザスタームービーを
発表する。

そんな彼らが本領を発揮する前の
試運転のような本作。

確かにスケールはデカい。
ピラミッド型の特大宇宙船なんかは
インディペンデンスデイの馬鹿みたいに
デカい宇宙船の雛形にも思えるし

古き良きハリウッド大作映画のような
人海戦術で大量のエキストラを使って
出すスケール感は壮大だ。

が・・

やはりまだ駆け出しの2人。
そのスケール感を出す事に大半の
エネルギーを注いでしまって
肝心要のストーリーや話のテンポなど
おざなりになってしまってる感は
否めない。

とにかくスターゲイトをくぐった瞬間から
それまでの話運びや緊張感がガクンと
パワーダウン。

スケール感を出す絵面に拘り過ぎて
しまったのか、非常に惜しいっ。
どうしてもテンポの悪さが目立って
しまう。

博士と現地の女性とのラブストーリーや
カートの辛い過去なんかは
バッサリ切ってしまった方が良かった
かもしれない。

ただ、そんなヒューマンドラマ的要素は
その後のエメリッヒ作品には家族愛と
いう必要不可欠な要素として組み込まれ
る事となり、泣きパニ映画、という
新しいジャンルを形成した功績がある。

なので本作ではまだまだ発展途上と言う
べきなのかもしれない。

一時期、ディザスタームービーから
距離をおこうと迷走した時期が
あったエメリッヒ監督だが
ミッドウェイを経てお得意ジャンルの
ムーンフォールで帰ってくる。

スマホやタブレットやTVでは
味わえない、映画館ならではの
壮大なスケール感や破壊の美学を
これからも体験させて欲しい。
恭介

恭介