日本の「食」を支える農業や漁業といった第一次産業を応援するためにスタートした映画《種まく旅人シリーズ》第4作目。
シリーズは知っていたが、作品に触れるのは初。今作の舞台は石川県金沢市の伝統野菜“加賀れんこん”を題材に、農業女子や後継者不足に悩む農業の現実を描き出すストーリー。
テーマが統一で内容やキャストが異なる作品といえば「RAILWAYS」や「しあわせのパン」のシリーズみたいなものが浮かぶが、どれも“印象に深くない物語に適度に感動”という共通点がある(結果、本作もそれに連なるものだった笑)
ここのキャスト陣の役の職業は上から農水省職員、銀行マン、市役所職員。農水省はともかく、どう考えても接点のない職業である。省庁が活性化の為に作ったような内容はある意味面白かった。唐突に展開する無理のあるシーンやお約束の流れに笑っちゃいそうだったが、こういう映画に「騙し絵の牙」みたいな展開は望んじゃいけないので、これはこれで良いのだろう。
キル・ビルの女子高生役が鮮烈だった栗山千明の「薹(とう)が立っててスミマセン〜」みたいな自虐的な台詞が、そんな事を思いながら見ていた自分の胸にグサリと突き刺さる(笑)
自分のベストムービーである「スウィングガールズ」のメインキャストは上野樹里、貫地谷しほり、本仮屋ユイカと平岡裕太。3人の女優はNHKの連続ドラマや大河ドラマの主人公になっていて今現在も活動の幅を広げているのに対し、平岡裕太だけはあまり姿を見かけないので心配していたが、ここにメインキャストとして出演していて安心。
年齢は重ねているが、スウィングガールズの時と同じく、どことなくお坊ちゃんで肝心な所で役に立たない雰囲気の平岡裕太はかわいかった(とはいえ、当時と同じ詰襟を着させるのは無理がある)