円柱野郎

TOKKO -特攻-の円柱野郎のネタバレレビュー・内容・結末

TOKKO -特攻-(2007年製作の映画)
3.5

このレビューはネタバレを含みます

極めて真っ当な構成の作品で、(分かりやすいドキュメンタリーという点で)まるでNHKスペシャルを見ているかような印象も受ける。開戦から特攻隊設立に至るエピソードに時間をかなり割いている点を見ると、このことにあまり詳しくない米国人向けに作っているのだろう。なので日本人的にはちょっと物足りない感じもするし、途中で流れる錦絵的なアニメにも違和感があったかな。
インタビュー内容も当事者達の本音を聞かせてくれるので興味深い。“外道の戦法”と言われた特攻を取らざるを得なかった日本。そしてそれを常態化させてしまった愚。自分だけは生き残りたいなどと、とても言えない空気感に追いつめられた世界というのは、今の日本にあってはもう想像も難しい…。でもそんな時代があったんだよね。
日本は追いつめられてそのような愚を犯したけど、その攻撃に晒されていた米国の退役兵が、逆に「米兵にも(カミカゼのようなやつは)いただろう。日本やドイツに追いつめられれば米兵だってやるさ。」と語るのが印象に残った。そう思うと、原題の“敗者の翼”とは内容を良く表しているタイトルだと思う。
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