ノラネコの呑んで観るシネマ

白蛇:縁起のノラネコの呑んで観るシネマのレビュー・感想・評価

白蛇:縁起(2019年製作の映画)
4.5
唐の末期、蛇狩りたちの村にすむ許宣は、不思議な力を持つ記憶を失った美女(実は白蛇の化身)を助けて冒険の旅に出る。
おなじみ「白蛇伝」を、中米合作でCGアニメーション化した作品。
とは言っても、よく知られた話そのまんまではなく、かなり現代的なアレンジを効かせている。
基本的には元の話に繋がるビギニング的な作りなのだけど、エンタメ要素がこれでもかと盛られている。
ヒロインに妹がいるのはアナ雪的だし、宣のキャラクターはどこかヒックっぽい。
インディ・ジョーンズ的な迷宮の脱出劇もあれば、クライマックスはもはや怪獣映画。
これだけ盛ってもバランスが崩壊しないのは、全ての要素が中国の民話伝説には含まれているので、世界観に吸収出来ているのと、ベースにあるラブストーリーがしっかりしているからだろう。
カラフルな山水画のようなビジュアルは魅力的で、冒険ファンタジーとして上々の出来。
キャラクターとしては主人公カップルも魅力的だが、ツンデレの中国版阿修羅男爵こと宝青坊の化け狐ちゃんが最高。
犬のハラマキもコミックリリーフでいい味出している。
これだけ面白いんだから限定上映は勿体無いな。
クオリティは充分以上だし、日本の会社が自分で作ったフリして公開したらいいのに。
「鉄扇公主」の時代から似た様なことはやってただろうに。

2年ぶり2回目はクオリティの高い吹替版。
中米合作で描かれる「白蛇伝ビギニング」はやっぱ凄く面白い。
これだけエンタメ要素をてんこ盛りにして、世界観が破綻しないのだから中国4千年の歴史の持つキャパシティは途轍もないな。
狐ちゃん主人公にしたスピンオフ作らないかな。
ブログ記事:
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