ぶらぴーにょ

ジャスト 6.5 闘いの証のぶらぴーにょのレビュー・感想・評価

ジャスト 6.5 闘いの証(2019年製作の映画)
3.0
なかなかお目にかかれないイラン映画ということもありマニア向け作品。
ジャケットはほんの一瞬を切り取っただけなので、そこまで切羽詰まるような映画ではない。

130分という時間の先には終わりのない麻薬社会が待っている。
冒頭からいきなり魅せてくれて、掴みは抜群。
いわゆる麻薬捜査官と元締めの攻防が主軸。
サイドストーリーとして冒頭の事件の顛末と拘置所における父子の物語がところどころで絡む。
思わぬところで日本が絡んでくるので他人事とは思えなかった。

取り締まる人が多すぎてキャパオーバーする拘置所、すし詰め状態の共同部屋。とてもじゃないけど快適とは言えない。その上刑の決定も裁判所ではなく面接のみで執行は複数人。

捜査官の奮闘から視点が変わり元締めの家族への思いが吐露される。
終盤の面会は何とも言えない気持ち。

大都市を思わせる環状道路の影には土管の空き地やスラム街、窓ふきなどの路上ワーカーがひしめくイランがあった。
麻薬は彼らにとって希望となり得るのか。